法伝寺住職 山中是道が宗教や道徳などを通じて、日々感じた事、学んだ事を記していくブログです。皆さまが日々、心豊かに生きる一助となればと思い共有しています。

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こころの時間


2024年3月19日

『現代版 忠と孝』

先に紹介した教育勅語は天皇と国民の間の忠と孝の関係が基本構造となっています。この忠と孝は日本の社会の基本として、とても大切にされてきたものであります。

ということはある意味日本らしさを形作ってきたものでもあります。

今日、社会は西洋的な価値観を基盤として形成されています。そこに忠と孝の概念をうまく、合わせられれば、現代的かつ日本らしい形を築けるのではないかと考えました。

そもそも忠と孝とはどういう意味でしょうか?

調べてみるとこのような意味だそうです。

「忠」は、主に君主や国家に対する忠誠心を指します。また社会秩序を守り、社会に貢献することにも通じます。

「孝」は、親に対する感謝の気持ちと敬愛の念を表すものです。また親の教えを守り、親孝行をすることにも通じます。

しかし今日、お国の為に、天皇陛下の為に忠義を果たす。という感覚は受け入れづらい人もいるかもしれません。また親に無条件に恭順するという事が受け入れづらい家庭もあると思います。

そんな中でこのように置き換えてみたらどうでしょうか?忠の対象を社会全体、そして孝の対象を身近な人、としてみることです。

つまり「忠」とは社会全体の秩序を守り、社会全体に貢献することを良い事と考えます。そして「孝」とは身近な人に感謝と尊敬の念を持ち、身近な人の助けになることを良い事と考えます。

これだと受け入れやすいですね。これを子供の時から、教育と道徳の基本として教えていく。海外から日本に移住してきた人に対しても日本の根本的な価値観として伝えていく。この共通の価値を持ち、日本で生まれた、または日本国内に居住している人が日本人である。

と考えるとより良い社会に繋がりそうですし、なによりシンプルです。

今は自由の名のもとに家庭や会社に善の定義が任せられています。もちろんそれは素晴らしいことですが、同時に難しいことでもあると思います。

だからといって今の日本人に江戸時代の価値観に戻れ、明治時代の価値観に戻れというのも難しいことだと思います。同時に西洋人の様になれというのも難しい事だと思います。まったく違う文化風土の上で形成されてきた社会だからです。